CERAMIC WORKS

陶と金属の造形
EPISODE 15号地 -4





  15号地の突端には、シーバス狙いの釣り人が多い。

 ほとんどの方がリールの先に、疑似餌をつけて沖合いに竿を振る。
 今日お会いした、70歳過ぎのご老人も、8フィートの竿の
 先には、ワームが付いていた。

 ここにあるその場の人工的なやさしさは、たまらなく心に響く・・
 

                           
                         
  




                          der steppenwolf

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| 日常 | 21:29 | - | - |
15号地




  



15号地の先端にあたるこの辺りは、昔はススキに覆われた荒野(あれの)
  で、東南アジアからの貨物船の着場であった。



                    Der Steppenwolf

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| 日常 | 09:39 | - | - |
15号地


 久々に東京湾岸から千葉みなとにかけて、湾岸沿いに取材に出掛けた。
私の気持には、東京の一番のフロントは15号地であると認識している。

 時間の経過(人生の節目)には、必ず訪れるこの地も、かれこれ通いはじめて
18年は経っている。
 
 2年前に訪れたときは、自身の今後の制作の転機を確かめたく訪れ、その流れと出発を確認した。

そして今回は、ここ1年の多難な年月をどのように乗り切るべきか、そんな現状を
更に深く認識するべく訪れた。

 その15号地は2年前とは変わらず、その姿をとどめ,静かにそして穏やかに私を迎いいれてくれた。

 堤防沿いに暫く歩き、撮影を試みていると、その光景と過去の情景が合わさり、自然とこの目の前にあるすべてを受け入れることが出来た。

 そして思ったことは・・・

  「考え悩むことはない、自分に戻りなさい。」という一言だった。


 暫くそのために時間を掛けたいと思います。

 夏の個展と、来春の華道家とのコラボレーションを形にするために、少々時間が必要です。

 ブログを暫くお休みします。 9月頃には何とか再開が出来るように・・


           2006.6.23
                        Der Steppenwolf 

 



*こんかい取材した湾岸の画像のみ、時々発表します。
静かな、美しい光景です・・


  

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| 日常 | 00:13 | - | - |
川合 陶芸教室 狭山市

  『色化粧フリーカップ』

 狭山の教室が開講してひと月半、開講して一番に入門したKさんの作品が出来上がった。

 なぜ陶芸を始めたいと考えたのか、そういえば聞いていなかったが、以前に益子で一日入門を体験したとは聞いている。
 
 彼女に限らず、一度触った土の感触が忘れられずとか、造るだけでその後の作業
がどのようになるのか興味がありましてとか、定年後の趣味をとか、色々とあるとは思うが、概ねこれらの要素が多少絡みあってというのが、その出発の理由である事が多い。

そして続けてみると、会のメンバーとの交流も楽しく、時には造ること以上の発見や出会いにも恵まれる。

 こうしてみると、良いことばかりを並べているようにと思われるかもしれないが、物を造る苦しみはあるわけで、それに関しては体験して下さいとしかいいようがない・・・

 Kさんの初作品は、以前の経験を頼りにロクロで成形、そして素焼きをして、
ラベンダー色の色化粧を刷毛で表面にぬり、内側には白化粧、高台にはグレー色の
化粧土をぬりつけた。
そして、石灰4号釉を施釉し1245度の酸化焼成で焼き上げた。

 指導した者が言うのもどうかと思うが、中々の一品であると思う。(それも初作品で。)

 いつも明るく、前向きな姿勢の彼女との教室は楽しく、陶芸を通してもっと色々な華を咲かせてほしいと考えている。

そして、狭山教室の事務局&世話役の彼女にはもう一言・・・

 「来年中にはアトリエ発表会をやりまっせー!」


あい」 

  ガリクソン先生よりロクロマティーさんへ更にもう一言・・・
 
 ジャイアンツの低迷はどこまで続くのでしょうか・・・ ジョギング
 
 



 


 

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| 教室便り | 01:03 | - | - |
川合牧人作陶展 ベルハウス
 皆さんのお陰で第3回目の作陶展が無事終了いたしました。
父の仕事の関係で大学卒業時まで住んでいたこの町には、やはり感慨深き
思い出が多く、今回もその思いが更に深く心に刻まれました。

 当時お世話になった方々には、いまだに「マキトちゃん大きくなったわね。」
と、さすがに返す言葉もなく困りましたが、その皆さんのご好意には感謝の一言。

東京郊外の私鉄沿線にあるその町のにおいは、当時のままで、時間の経過に関係なく、体と心にぴったりとなじむ・・・

こうして1年に1度、当時の皆さんにお会いできることで、否定的であった過去の時間の埋め合わせが少しずつ出来ていくようで、変な言い方のなるが、
    「人生まんざら捨てたもんじゃない。」などと思ったりする。

 幼少の頃、物を造ることでしか人とのコミュニケーションがとれなかった私が、
現在もこうして物造りに携わり続けられるのも当時の皆さんのお陰であると思う・・・


今回も多くの方々にお世話になりました。
 地元の皆さん。
 お花の先生。
 福生のギャリーのオーナー。
 同級生。
 東村山教会の皆様。
 当時の恩師。
 狭山教室の生徒さんとその身内の方々。
 日野市在住の友人。
オーナーの渕上さん。

 有難うございました。

     平成18年 6月 18日

          そつたく窯・啐啄窯  川合牧人

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| - | 01:13 | - | - |
川合牧人 作陶展 ベルハウス
 


ベルハウスでの3回目の展示会初日を迎えた。
今回は穴窯作品を含めた150点あまりの作品を出展したが、茶陶を含めた日常で使用出来るものを選んだ。以下そのご挨拶文を・・・

             ご挨拶

 この度、ベルハウスさんのご好意で3回目の作陶展を開催する運びとなり
ました。

 昨年完成した穴窯は、日本では薪で焚く窯としては最も古い形式と聞きます。 須恵器を焼いた窯が原型ですが、その単純明快な構造は、現代の論理で考え
ますと、無駄の多い窯であるとも言えます。

多くの木材を燃やし、煙をたくさん出している光景を目の当たりにすると、
焚いている本人でさえも、その迫力に圧倒され恐れさえも感じます。

そして先ず思うことは、決して中途半端な作品を焼いてはならないと感じる
ことです。

その都度、真剣勝負です。

25年前に先輩に連れられて、初めて見た穴窯は、まるで生き物のように
吠え、炎が竜の如くうねり流れていました。

 ご縁あって、窯は八王子市加住町の長江寺敷地内に造らさせていただきま
した。 そして、その築窯のご指導を頂いた方が25年前の先輩であること
も、人とのつながりの不思議さを感じます。

 久米川の町は、私が京都に出発するまで生活していた町でもあります。
この思い出多き町並みで発表出来ることは、嬉しさと共に今後の制作の
更なる展開をも予感します。

      平成18年6月吉日
           そつたく窯・啐啄窯   川合牧人


以下会場のスナップと添え花をして頂いた龍生派の先生と福生の”ぎゃらりー樹”のオ-ナーのお二人です。




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| 展覧会のお知らせ | 01:05 | - | - |
陶芸教室 八王子 ぎゃらりー

      『呉須染付け花唐草紋茶器』   
 教室のKさん(女性)の作品、ロクロにいどんでの初作品であるだけに嬉しさもひとしお!  蕎麦猪口には少し小さいかもしれませんですね。




     『青磁くり貫き小鉢』
 教室のOさん(女性)の作品。 京都産の磁器土を使用しての手捻り作品。
巾15センチと小さめですが、青磁のもつその気品は充分作品から現れています。





      『淡青磁葉紋マグカップ』
 教室のMさん(女性)の作品。 青磁釉も陶器に使用すると表面に貫入が入りますが、磁器と違った味わいが生まれます。 この素朴さは私も好きです。





      『藁灰釉平鉢』                         教室のMさん(男性の作品。この方の作品は備前の作品に続いて2度目。
藁灰釉用いた、斑唐津を意識した温かみのある一品。
  


以上が生徒さんの近作。 どの作品も丁寧に制作されているので誠意が伝わってきます。来年には是非、第4回そつたく窯作陶展を開催したいものです。
皆さん宜しくお願いします!

  募集 陶芸教室 八王子・狭山
 初心者を対象に丁寧に指導いたします。手捻り、ロクロあらゆる製作が可能!
 10月に穴窯(薪窯)体験可能。 お問い合わせは下記へ。
    ZUA10735@nifty.com 川合まで

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| - | 09:06 | - | - |
発見・・



                                      なんと! 自宅の自転車置き場でクワガタムシを見つけた。

店頭で売られているもの以外を見るのは、幼少期以来の事であると思う・・・
懐かしさと、ものめずらしさで嬉しく思う。

 ここに置き去りにしておいては、かわいそうと嫌がるコクワガタつまみ上げ、中庭の安全と思うところへ移動。  ついでに、腹が減っているだろうと思い、綿に浸した砂糖水を与える為に台所にはしる・・
 さてさてと、戻るがどこを探してみても彼は居ない。
余計なお節介と退散したのであろうか、その後彼を見かけることはなかった。

 翌日、中庭(と言うほどのものではないが)で仕事をしていると、今度は釉薬のバケツ置き場になっている棚で小さなコガネムシを発見。
何故か、苦し紛れにもがいている様子・・・
 
 よくよく観察してみると、くもの巣に絡まり宙ずりになっている様子である。
まーまー良くある光景と更に観察していると、そのコガネムシの体の十分の一ほどの極小蜘蛛クンが、コガネムシに向かい糸を巻きつけては上空に吊り上げている。
 この小さな体で果敢に挑む姿には感心するが、昆虫界の弱肉強食の一端を垣間見たようで少し冷やーとする。

 どうしよう・・、 このままにしておこうか、それともコガネムシに同情してみようか暫くぼーと眺めていと、手が自然にコガネムシと極小蜘蛛クンの間に割り込んでいる・・

 コガネムシはスタコラサッサと尻を左右に振りながら(何故か逃げる姿にとても愛嬌がある)一目散に逃げていく。 その後姿と我が家の愛犬が、つまみ食いをして逃げていく姿が重なりおかしく思う。

 更に翌日、窯場とアトリエの小さな空間をバタバタと走り回り仕事をしてると、
昨日のコガネムシを発見。 どうかしたのかと近ずいてみると、又しても今度は別のテリトリーの蜘蛛の巣にかかっている。 しかしどうやら今回は少し様子が違うようで、昨日のようにもがいている様子はなく、ピクリともしない・・・

 何故か、日常と隣り合わせに在る、確かな現実を身近に感じ、昨日以上に冷やーとしてしまった。 


 

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| - | 23:46 | - | - |
ツルツル ピカピカ 研磨土器


 上の作品は研磨土器。現在はメキシコ、エクアドル、アフリカなどの一部で製作されている。焼き物であるが焼きが弱いせいか陶器とは違う質感がある。

 さてさて、作者は私の友人である作陶家が制作した。 彼女はこれからの若い作家であるが、制作したその作品の形と線のあり方は細い生命のうねりのような存在を感じさせる。

 研磨土器とは字のごとく、とにかく磨き上げる陶である。

 成形した後半乾きになった作品に、色化粧土を刷毛などで塗りつけ石やスプーンなどで表面をこすり磨き倒す。  すると、光沢が生まれなんともいえぬまろやかな質感が現れる。
乾燥後、850度以下で素焼き。 場合によってはワックスなどをこすりつけ更に磨く・・・

  とにかく磨くのである。

 そんな彼女からお礼にとポケット詩集を頂いた。(童話屋 1998年初版)
その中の彼女お気に入りの一編をご紹介する。

     『便所掃除』  濱口國男 1920-1976

   扉をあけます
   頭のしんまでくさくなります
   まともに見ることが出来ません
   神経までしびれる悲しいよごしかたです
   澄んだ夜明けの空気もくさくします
   掃除がいっぺんでいやになります
   むかつくようなババ糞がかけてあります

   どうして落着いてしてくれないのでしょう
   けつの穴でも曲がっているのでしょう
   それともよっぽどあわてたのでしょう
   おこったところで美しくなりません
   美しくするのが僕らの務めです
   美しい世の中も こんな処から出発するのでしょう

   くちびるを噛みしめ 戸のさんに足をかけます
   静かに水を流します
   ババ糞に おそるおそる箒(ほうき)をあてます

   ポトン ポトン 便壷に落ちます
   ガス弾が 鼻の頭で破裂したほど 苦しい空気が発散します
   心臓 爪の先までくさくします
   落とすたびに糞がはね上がって弱ります

   かわいた糞はなかなかとれません
   たわしに砂をつけます
   手を突き入れて磨きます
   汚水が顔にかかります
   くちびるにもつきます
   そんな事にかまっていられません
    
   ゴリゴリ美しくするのが目的です
   その手でエロ文 ぬりつけた糞も落とします
   大きな性器も落とします

   朝風が壷から顔をなぜ上げます
   心も糞になれて来ます
   水を流します
   心に しみた臭みを流すほど 流します
   雑巾でふきます
   キンカクシのうらまで丁寧にふきます
   社会悪をふきとる思いで力いっぱいふきます

   もう一度水をかけます
   雑巾で仕上げをいたします
   クレゾール液をまきます
   白い乳液から新鮮な一瞬が流れます
   静かな うれしい気持ですわって見ます
   朝の光が便器に反射します
   クレゾール液が 糞壷の中から七色の光で照らします

   便所を美しくする娘は
   美しい子供をうむ といった母を思い出します
   
   僕は男です
   美しい妻に会えるかも知れません 

 
 うーん・・・  なんともかぐわしき一編である。 彼女の磨く作品とリンクする訳ではないが、しかし何故か顔がほころんでしまう・・・


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| - | 01:22 | - | - |
硯 陶芸教室 八王子


磁器粘土による硯が出来上がった。
愛知県瀬戸市から陶土を取り寄せ、教室のTさんが3ヶ月もの時間を掛け、ようやく造り上げた。

 瀬戸産の磁器は、京都と比べると値段も手ごろで、そして種類も豊富である。
今回の磁器土は、ニュージーランドカオリンを主体のした物で、焼き上がりがことのほか白く、そして手捻りも出来るほどコシがあり粘りもある。

 京都時代に研修旅行で瀬戸の窯業施設を見学した事がある。 印象は量産品の産地で、町全体が焼き物の町と言う印象であった。
しかし、最近の瀬戸はその様相も変わり、日本の陶芸の発信地としての役割が大きい。

 さてさて、硯であるがその瀬戸産の陶土で成形したものを素焼をして、その後
梅の文様を彫った。

 釉薬は栗皮灰と陶石だけのシンプルなもの。 そして強還元で1270度まで上げ焼き上げた。 しかし灰釉で困ることは、灰を購入するたびにその品質にばらつきがあることだ。 今回もその発色が思うようにならず、2度焼きということになった。

 製作者のKさんは、ひらがなの習字を勉強なされている。 墨だまりや縁の高さ
には特別に気を払われた。

 陶製の文具で面白いと思うのは、その作品に作者のユーモアが感じられることである。

 今回も蓋裏に可愛らしい鳥の姿が文様として楽しげに見受けられえる。



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