ランプシェード h16cm
信楽工業試験場で開発された''透土''。
ご縁がありまして、当工房に届いたのが一昨年の夏あたりだった
でしょうか。
当初はその透光性を活かした作品がなかなか生まれずに、どう
したものかと眺めていました。そんな中で教材として使っている
内にだんだんとそれらしき作品も生まれて来るようになりまし
て、ご覧のようなランプシェードが出来上がりました。
シェードの中の光源はLEDと乾電池でまかなっています。
そもそもこの透土は信楽工業試験場と当地の組合による合作で、
開発当初には県外での販売を規制していたとのこと。
現在では通常の販売がなされているものなのですが、陶芸教室で
扱える価格(一般的な陶土の5倍ほど)ではありません。
たまたまご縁で入手出来たものの、若干扱いにコツがいるのと、
特質を活かすのに時がかかりました。
ランプの灯りが透ける陶土は一般的には陶石原料によるものが多
く扱われていると認識しています。しかし''透土''においては焼成後
にはほぼガラスに近い物に生まれ変わります。
イメージとしては戦後以降に家庭で使われていた白熱球の傘の質
感です。 くもりガラスの様な''透土''は灯りをやさしく通し、しか
も成形が比較的容易である。
教室では円盤状に伸ばしたものをガーゼにのせて、プラスチック容
き器におさめるという方法をとりました。そのまま乾燥をさせて、
水分が抜けた時に彫刻刀などで彫る。 光を見せたい部位は薄く彫
り、影をつけたい部位は厚く残しておく。
画像の作品はかなりの時間を掛けていますが、形と紋様が上手く
おさまり、とてもよいものに仕上がりました。
器として活用することも視野に入れて有効に利用したいと思います。
今回は京王カルチャー教室の生徒さんの作品をお借りしました。
☆この透土はシンリュウ株式会社さんで求められます。